BOØWYの記録

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【アルバム『MORAL』リリースに向けてお披露目ライブ】1982年02月16日 新宿LOFT 暴威

BOØWY

『1982年02月16日 新宿LOFT』セットリスト&MC

音源未所持のため不明。

『1982年02月16日 新宿LOFT』メモ

アルバム『MORAL』のリリースを1ヶ月後に控え、プレス関係者を招待したお披露目的なライブ。

ここでスクリーンを用意しよう。
2月18日新宿ロフトで行われたBOØWY最新ステージの実況中継を映し出そうというわけだ。

SCENE1:満員御礼の会場。
後方の立ち見スペースを埋めきっている一陣だけは、雰囲気を異にしている。
彼らの名は"招待客"。
今度デビューするBOØWYのお披露めとして、このライヴに招待されたプレス関係者たち。

SCENE 2:BOØWY登場。
パンク風体の6人組がアクティブにプレイする。
通常のニュー・ウェイヴ・グループと違い、安定したテクニックと乱れないヴォーカルががっちりとしたポップ・ロックをフォローしている。
頬のこけた端正な顔立ちをしたヴォーカルがステージ中央から眼をとばし、すべての要を果たしている。
が、ひときわの彩色を放っているいるのが右手に位置しているギタリスト(布袋)。
やけに背が高く巨人的なわりにその動きは機敏で、ねずみ花火のようなアクションを繰り広げている。

布袋「俺、今身長190cmある。まだ伸びてるよ、どうしよう、困ったね。」

氷室「一応、ステージでは、俺と布袋とsaxの深沢が顔でいこうと決めている。でも見る人によって違うみたいだね。もう一人のギター、アツシが一番目立つっていう人もいる。」

布袋「あいつ、植物人間みたいじゃない?(笑)昔のジェネシスやスレイドみたいな雰囲気を持ってるんだ。」

SCENE 3:会場が活気を帯び、全体的に熱いムードが盛り上がる。
ステージはどんどん白熱化していく、と、突如としてヴォーカルが怒って叫びだす。
「おい、おまえら、おもしろくないの!?楽しくないの!?何やってんの!?」
そう叫んで彼が指したのは、後方のプレス席。
いかなるライヴでも沈黙が常といわれるプレス席が一瞬どよめく。
プレイ再会。メンバー熱くなり、攻撃的なプレイと挑発的なアクションが力まかせに続く。
それでも尚、プレス席沈黙の図は変わらず。

-あん時、随分怒ってたね。

氷室「頭きてたねー。だってさ、ライヴなんてさ、楽しみたいから見にくんだろ?俺たちあんなに一生懸命やって、ファンものってくれてんのに、後ろの連中だけ身じろぎもしないんだもんな。こんなに乗ってんのに、なんでこのヴァイヴレーションがわかんないんだ!って感じ。」

-でも、怒ってからステージが面白くなったよ。
最初はすごい筋道たてて、曲や進行に忠実にライヴやってますよって感じだったから。

氷室「うん、冷静にステージを演出しようとしてたからね。でも熱くなんなきゃライヴじゃないよ。何かさ、よく言われるけど、アーティストは冷静な判断をステージでできなかったら演じる事もできないって。でも、熱くなるのは演技じゃできっこないんだ。」

-グショグショになってからのBOØWYのかっこよさってのがわかった。
とにかく歌がうまいし、プレイがタイト。

布袋「この頃はうまいもんですよ。最初の頃はもろにパンクだった。ヘタクソで、ヘタクソで、だからパンク(笑)。最近はうまくなってきたからニュー・ウェイヴだね(笑)。」

SCENE 4:歌も怒りも一緒くたになってヴォーカルが叫ぶ。
「俺たちゃ雑誌のためにライヴをやってんじゃないぜ!楽しみたいからやってんだ!あんたたちと楽しみたいんだ!!」
ねずみ花火ギタリストが興奮のあまり手をケガし、血だらけとなる。
尚もライヴ続行。
「後ろのあんたたちが乗るまでライヴは続けるぜ!」
精神力との闘いのようなステージに、いつの間にか魔のプレス席では暗雲が消え去り、手拍子が鳴り渡っていた。

SCENE 5:エピローグ。
1時間半に渡るライヴが終わる。
グッタリとした雰囲気と熱さの漂う中、人々は帰途へ。
ゾクゾクした快感が残る。

氷室「いやぁ、実は、この日ね、あそこの後ろにいた連中が招待客だって知らなかったんだ。ちょっと悪いことしちゃったよね。だって、仕事なんだもん、いちいち乗りまくってたらやってられないじゃん(笑)。普通の客だと思ったからさ、せっかく金払ってんのにナンボのもんじゃー!と思ってね・・・。」 

出典:『Player 1982年4月号』

上の引用では2月18日となっているが暴威のライブは2月16日。
『Player』の誤植と思われます。

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出典:1982年2月-新宿ロフト(西新宿) – ロフトアーカイブス