
ベルリンで発酵したニュー・BOØWYサウンドとは
前作『インスタント・ラブ』から約2年。BOØWYが、さらに大きなスケールを感じさせるバンドとなってもどってきた。
プロダクションとレコード会社を移籍。その上で初の海外でのレコーディング(ベルリン)とライヴ(ロンドン)を体験。新作『BOØWY』をふくめ、今のBOØWYには、気もどりもメンツも捨て、ロックン・ロールの原点にもどったことでの素直さとパワーがある。これを契機にBOØWYが、メジャーへの進出を果たすのは、すでに時間の問題ともいえるだろう。
今回はそのBOØWYの、氷室京介(ヴォーカル)と布袋寅泰(ギター)にインタビュー。氷室は先頃映画へも出演。いっぽうの布袋も、PINKやオートモッドのレコーディングに参加するといった話題を持っている。
-今回のアルバムはレコード会社も移籍して、しかもベルリンで録音して、いろいろな意味で新しいステップになっているんでは?
氷室:ええ。初めてBOØWYらしいことをやったなっていう気がする。満足感というのもかなりあります。
布袋:なにかいろいろとたまっていたものを、今度のアルバムではすべて外に出せたと思う。けっこうブランクがあって、その時には別になにも感じなかったけど、いざやってみたらそういう充実感があった。
-以前のBOØWYと変わったことは?
氷室:変わったっていうよりも前に、素直になったと思う。それが自然に音にも出たね。むこうのエンジニアもよくて、楽器の持つ本来の魅力をストレートにだしてくれたんだ。その時に変にカッコつけたりするのが、あまり意味のないことだってこともわかった。
-ベルリンで録音したことでのいちばんのメリットはなに?
氷室:雰囲気がとにかくよかったこと。直接、音には出ないけど、その雰囲気の中で落ち着いてできたのがいちばんの収穫です。
布袋:日本にいると、日常生活が密接していて、いろいろなことを考えるし、いろいろな情報も耳に入ってくる。たとえば、フランキーやストロベリー・スウィッチブレイドを聴いたりすれば、当然、刺激をうけたりもするわけ。でも、ベルリンではそれがないから、わきめもふらずにやれたんだ。
-今度のアルバムはポップだけど、その前にストレートなパワーを感じた。
布袋:もうノビノビやったからね。たとえば、「ここでこんなことをやったら・・・・・・」っていう、うけをねらうようなことも、とっぱらってやれた。明るいポップではあるけど、本質は前よりも絶対ハードだよ。
氷室:今までって、やりたいアイデアがありすぎた。ところがありすぎるために、いざ録音してみると、まるで考えてた音とちがったりしてね。それがイヤだったから、もうひらきなおってやったんだ。そしたら本当のBOØWYの音ができたわけ。
-きっと今度のアルバムを聴いて驚く人もいるし、新しいファンも増えるのでは?
布袋:そうかもしれない。BOØWYはパンクだとかくらいとか思ってる人が多いからね。でも前の『インスタント・ラヴ』で、少しそのイメージがぬけて、ライヴを見てた人はわかってくれてたから、そうは驚かないんじゃないかな。新しいファンはきっと増えてくると思うけど。
-今の若い音楽ファンはカテゴリーとか気にしないから、きっとおもしろい反応がでてくると思う。
氷室:そうあってほしい。確かにカテゴリーはめてやるのも重要かもしれないけど、でもそれだけにこだわってやるのはやはりつまらない。少なくともBOØWYは、カテゴリを気にせず、いろいろな実験のできるバンドでありたいんだ。
-そういえば今度のアルバムは、とてもライヴっぽいね?
布袋:実際にヴォーカルふくめて、ほとんど一発どりの世界。もちろんダビングもあったけど、それも細かいことを気にせずにノリでやった場面が多かった。
氷室:前はレコードとライヴは、まったく別のものと考えてたけど、本当はそうじゃなくて、レコードとライヴには同じ要素を持ってないといけない。それがわかった。
-今後そのライヴについてはどういうことをやっていくつもり?
氷室:やはりライヴっていうのは見せる要素がないとね。だから、ヴィジュアルにはこだわりたい。その上でレコード以上の演奏するのがベスト。
布袋:今まであまりにナマっぽかった。オレたち4人がいて、演奏するだけ。それがいいとは思ってやってたわけじゃないんだ。これからはヴィジュアル面については、やれるだけのことをやりたい。ビデオも同様にね。
ロッキンf 1985年8月号より